※火月さんの「勝手にコラボ」を先に読むのがオススメです↓
「勝手にコラボ?」http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/crescent-moon/?Y=2009&M=6&D=6
「勝手にコラボ2?」http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/crescent-moon/?Y=2009&M=6&D=7
「勝手にコラボ3!最後!!」http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/crescent-moon/?Y=2009&M=6&D=8
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縁《えにし》の鏡 作:柏秦透心
見上げると、月は高々に頭上へ昇っていた。
真夜 :鎮破どこ行ってたのよぉ!
鎮破 :何をしている?
玲祈 :逃げるので精一杯だっつの!
見れば、大型の漆黒の犬にでも追われているかのように、必死に逃げる真夜と玲祈の後ろを獣型の影が追っていた。
溜め息まじりに鎮破は月破刀を払っていた。
鎮破 :……散れ!
瞬時に間を割って入り、影の足下を斬り払う。
鎮破 :今だっ。
とっ、と飛び上がった隙をついて指示を出す。
影に照準合わせられた両の掌が三度声を上げる。
三方から逃げ場を失った影はあがくもその力に捕まり、塵となって空気に溶けた。
鎮破は振り返りあったはずの場所を見た。しかしどことして自分が潜った物は見当たらない。
鎮破 :鏡が……。
真夜 :はあ?
玲祈 :カガミって?
なんでもないと低く言い捨て、鎮破は先に踵を返した。
昨夜の不審な行動が気になって仕方のない真夜は、放課後鎮破の大学の前まで来ていた。
その後ろにはなぜか玲祈の姿もばっちりあった。
悟られないように向かい側の文具店で何気なさを装い見張っていると、ほどなく出て来た鎮破の後を追った。
目的地は意外にも、三枝の神社だった。
真夜 :咲んちになんの用なのよ、鎮破のやつ
玲祈 :逢引か?
なら俺は真夜と──。
真夜 :くだらないこと言ってないで、静かにしてなさいよ邪魔だわねえ
長い表坂と呼ばれる階段の最上段まで来ると、その脇に石燈籠の陰に隠れた。
小一時間としないうちに鎮破が出て来たのを見とめると、半ば飽きてきていた二人は慌てて階段脇の森の中を下って行った。振り返ってもまだ鎮破は階段を降りてこない。
今のうちにと思った時、真夜の目は森の奥に止まった。
真夜 :ん? なんだろ。森の奥で光ってる?
玲祈 :真夜?
自然と興味を引かれ森に入って行く真夜を、玲祈も追った。
光っているものはつるんと飾りもない銅鏡のようなものだった。
手を出したのがいけなかった。
真夜 :ふっる~い鏡? んわあっ!
玲祈 :真夜!
鏡に触れた瞬間真夜は体ごと吸い込まれ、驚き手を伸ばした玲祈もまた鏡の中に姿を消した。
その場をちょうどよくも階段を降りて来た鎮破が目撃していた。
鎮破 :あいつはっ……。
鎮破は東の空を見る。
鎮破 :……もう月が出ていたか。
気がつけば真夜の視界は暗闇に囲まれていた。
真夜:あれ? どこ? ここ。真っ暗じゃな──。
言いかけている途中、背中に体当りする者がいた。
真夜 :ぃいったーい!
玲祈 :てててぇ……真夜?
真夜 :玲祈ね、何やってんのよ!
玲祈 :お前の後追っかけて来たらこーなったんだよ。
真夜 :ちょっと玲祈、真っ暗いんだからあんたの術で明かり点けてよ。周りのこの手触り、岩みたいだけど。
玲祈 :八ツ森。
玲祈の小将が灯した明かりで二人は開いた空間へと歩を進めた。
真夜 :あら行き止まり? ……上があるみたいだけど。
玲祈 :おー……。
真夜 :待ちなさいよ、影の仕業だったらどうすんのよっ。よく見て、おあつらえ向きの縄梯子があるわっ。
真夜の人差し指がその真下を指す。
真夜 :玲祈四つん這いになって。
玲祈 :はあ!? なんで俺がだよ。普通男に先行かせないか?
真夜 :ばっかねぇそこらへんの女子ならともかく、私を掴まえてよくそんなことが言えるわね。やるのやらないのっ?
玲祈 :……わーったよ、やりゃいんだろやれば。
真夜 :上見てスカートの中覗かないでよね。
玲祈 :誰がっ……。
結構深いなと思いつつ、真夜は上っていく。
急に視界が開けたと思うと、縄梯子はそこで終わっている。
辺りは月夜だった。
もっと周りを見渡そうと地上に手を伸ばしたのだが、ある所から先に指先が触れると、パンッと弾かれる。
真夜 :なあに? 結界? 見たことないなあ。
触るしか感じ取れないので弾かれても何度か触ってみた。
謎の人物 :誰だ!
どこからともなく人が目の前に降ってきた。
真夜 :は……。
謎の人物 :貴様は誰だ。
真夜 :……ちょっと玲祈ぃ。あんたんちってこんな凄いこと出来るの?
真夜は目の前の人間の格好にいささか引いていた。
⇒勝手にコラボ返礼編その2へ続く
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縁《えにし》の鏡 作:柏秦透心
見上げると、月は高々に頭上へ昇っていた。
真夜 :鎮破どこ行ってたのよぉ!
鎮破 :何をしている?
玲祈 :逃げるので精一杯だっつの!
見れば、大型の漆黒の犬にでも追われているかのように、必死に逃げる真夜と玲祈の後ろを獣型の影が追っていた。
溜め息まじりに鎮破は月破刀を払っていた。
鎮破 :……散れ!
瞬時に間を割って入り、影の足下を斬り払う。
鎮破 :今だっ。
とっ、と飛び上がった隙をついて指示を出す。
影に照準合わせられた両の掌が三度声を上げる。
三方から逃げ場を失った影はあがくもその力に捕まり、塵となって空気に溶けた。
鎮破は振り返りあったはずの場所を見た。しかしどことして自分が潜った物は見当たらない。
鎮破 :鏡が……。
真夜 :はあ?
玲祈 :カガミって?
なんでもないと低く言い捨て、鎮破は先に踵を返した。
昨夜の不審な行動が気になって仕方のない真夜は、放課後鎮破の大学の前まで来ていた。
その後ろにはなぜか玲祈の姿もばっちりあった。
悟られないように向かい側の文具店で何気なさを装い見張っていると、ほどなく出て来た鎮破の後を追った。
目的地は意外にも、三枝の神社だった。
真夜 :咲んちになんの用なのよ、鎮破のやつ
玲祈 :逢引か?
なら俺は真夜と──。
真夜 :くだらないこと言ってないで、静かにしてなさいよ邪魔だわねえ
長い表坂と呼ばれる階段の最上段まで来ると、その脇に石燈籠の陰に隠れた。
小一時間としないうちに鎮破が出て来たのを見とめると、半ば飽きてきていた二人は慌てて階段脇の森の中を下って行った。振り返ってもまだ鎮破は階段を降りてこない。
今のうちにと思った時、真夜の目は森の奥に止まった。
真夜 :ん? なんだろ。森の奥で光ってる?
玲祈 :真夜?
自然と興味を引かれ森に入って行く真夜を、玲祈も追った。
光っているものはつるんと飾りもない銅鏡のようなものだった。
手を出したのがいけなかった。
真夜 :ふっる~い鏡? んわあっ!
玲祈 :真夜!
鏡に触れた瞬間真夜は体ごと吸い込まれ、驚き手を伸ばした玲祈もまた鏡の中に姿を消した。
その場をちょうどよくも階段を降りて来た鎮破が目撃していた。
鎮破 :あいつはっ……。
鎮破は東の空を見る。
鎮破 :……もう月が出ていたか。
気がつけば真夜の視界は暗闇に囲まれていた。
真夜:あれ? どこ? ここ。真っ暗じゃな──。
言いかけている途中、背中に体当りする者がいた。
真夜 :ぃいったーい!
玲祈 :てててぇ……真夜?
真夜 :玲祈ね、何やってんのよ!
玲祈 :お前の後追っかけて来たらこーなったんだよ。
真夜 :ちょっと玲祈、真っ暗いんだからあんたの術で明かり点けてよ。周りのこの手触り、岩みたいだけど。
玲祈 :八ツ森。
玲祈の小将が灯した明かりで二人は開いた空間へと歩を進めた。
真夜 :あら行き止まり? ……上があるみたいだけど。
玲祈 :おー……。
真夜 :待ちなさいよ、影の仕業だったらどうすんのよっ。よく見て、おあつらえ向きの縄梯子があるわっ。
真夜の人差し指がその真下を指す。
真夜 :玲祈四つん這いになって。
玲祈 :はあ!? なんで俺がだよ。普通男に先行かせないか?
真夜 :ばっかねぇそこらへんの女子ならともかく、私を掴まえてよくそんなことが言えるわね。やるのやらないのっ?
玲祈 :……わーったよ、やりゃいんだろやれば。
真夜 :上見てスカートの中覗かないでよね。
玲祈 :誰がっ……。
結構深いなと思いつつ、真夜は上っていく。
急に視界が開けたと思うと、縄梯子はそこで終わっている。
辺りは月夜だった。
もっと周りを見渡そうと地上に手を伸ばしたのだが、ある所から先に指先が触れると、パンッと弾かれる。
真夜 :なあに? 結界? 見たことないなあ。
触るしか感じ取れないので弾かれても何度か触ってみた。
謎の人物 :誰だ!
どこからともなく人が目の前に降ってきた。
真夜 :は……。
謎の人物 :貴様は誰だ。
真夜 :……ちょっと玲祈ぃ。あんたんちってこんな凄いこと出来るの?
真夜は目の前の人間の格好にいささか引いていた。
⇒勝手にコラボ返礼編その2へ続く