朔外伝 第六話 闇遊び
闇に蠢く、それが「影」────陽の下を蠢く闇もまた、「影」であった。 影は己が漆黒の色と同じくする人の心の闇に入り込み、人世を負へと導こうとする。 道方の邸で玄鳥法師は一人休んでいた。 邸内は外界とは別世のように、己が吐息を出さぬ限りは頑に静寂だった。 ふと様子見に顔を上げるがごとく、玄法は庭に目に向けて呟くように言う。 たゆたう黒煙が庭の土より沸き立ち、獣の形をつくった。...
View Article式・宵の章 第一話 宵月を仰ぎし
宵に上った月を、一人仰ぎ見る男が呟いた。 「闇に迷いし影よ。この力に応え、我が元へ下れ──」 眠れる摩天楼と男のシルエットが、月光に象られる。 その無機質に近い宵闇を、動く気配がする。 ヒタヒタと湿り気を含む音や、濁流が湧き上がるような音、泥を踏み鳴らす音、なにより恨み言満載といったうめくような数々の声《おと》──。 確実に奴らは数を揃え、男のもとへと集まって来ていた。...
View Article第三十九話 始動、救出作戦
ここは……暗い。 (夜?) 違う──。 咲の瞳の中は暗闇しかなかった。 だが状況はすぐに思い当たる。 (これが……影の中というわけね。なら、私には何を見せるかしら) おもむろに目を閉じる。 咲自身、見せられて困る過去や気持ちなどは持ち合わせてはいなかった。 真夜と同じものを見せると言うなら願ってもない。半身が背負うものを、同じように正面から見つめてみるのも悪いことではないと咲は思った。...
View Article【常設】『式師戦記 真夜伝』全シリーズ人気投票設置!
前回「第1回」と銘打って人気投票をやったところ、期間の短さからか投票総数の少ない中鎮破がダントツの1位でしたし、本編 も進んできましたところから、常設といたしました。 投票はコチラ↓ http://vote1.fc2.com/poll.php?mode=browse&uid=1310201&no=1...
View Article『式真』→『宵月」勝手にコラボ返礼編
※火月さんの「勝手にコラボ」を先に読むのがオススメです↓ 「勝手にコラボ?」http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/crescent-moon/?Y=2009&M=6&D=6...
View Article『式真』→『宵月」勝手にコラボ返礼編 2
縁《えにし》の鏡2 なおも目の前に立つ者は真夜に問いを降らせた。 謎の人物(男1) :何者だと聞いているんだ 真夜 :ちょっとあなたこそ何よ。れーきーこれ誰よ。 玲祈 :誰と喋ってんだよ真夜。もう上見てもいいのか? 真夜 :きゃーっ、まだよ! まだ顔上げんじゃないわよ変態。 謎の人物2 :どうした? そうこう真夜が騒いでいる間にさらにもう一人、同じような格好をした者が現れる。...
View Article『式真』→『宵月」勝手にコラボ返礼編3
縁《えにし》の鏡3 鎮破は、再び隠れた月によって閉ざされた鏡の側にいた。 鎮破 :銘景。悪いが上の三枝神社まで連絡に行ってくれ。 己の護法や式神にあたる小将・銘景を見送った鎮破は、背後の気配に気付く。 鎮破 :なぜ……お前がここにいる。 剣 :勝負しにきた。 剣は自分の得物を突き出した。 剣 :真剣で勝負だ。 鎮破 :わざわざそのために、か。 剣...
View Article復活か、嵐の前か
プライベートごたごたでしばらく放置INGでしたが、どうにか戻ってまいりました! さて屋根裏部屋での更新が遅れましたが、式真第40話「黒墨の森」をUPいたします。 それから本館サイトがのべ1万HITSを達成いたしまして、今いろいろ記念月間としてイベントを計画しております。 更新強化月間になるかもしれませんし、『(仮)飛界鏡異聞伝』というイベントなどもよていするつもりですw...
View Article第四十話 黒墨の森
墨の匂いが漂い、明かりの灯るただ一つの部屋で、判鳴は一人書に向かっていた。 書道の一流派の宗家であり、今日は自宅に隣接する教室の開講日であった。 手習いの子ども達や遅くに習いに来る大人達でさえ帰り、教室に使っていた部屋はすでに静まり返っていた。 「先生、ここでしたか」 家人とは別の、書道教室の助手の一人が判鳴を見つけ声を掛けた。...
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